疾患別解説㊴ 脳梗塞 ;原因と治療法

脳梗塞』とは、脳の血流障害により、脳実質の壊死を生じた状態を言い、脳血管疾患全体の約60%を占めます。

脳梗塞には、
①脳の血管壁に血栓(※1)が形成されたために起こる「脳血栓症」(下図参照)と、
栓子(※2)が脳動脈を閉塞して起こる「脳塞栓症」(下図参照)があります。

※1;『血栓』とは、血液内で生じる血小板や血液の塊のことを言います。
※2;『栓子』とは、脳以外の臓器(心臓など)にできた血液を閉塞する物質を称して呼び、血栓や脂肪塊、組織片がそれに含まれます。

脳血栓症

原因として最も多いのは、脳血管の動脈硬化によるもので、血栓を生じて動脈内腔を閉塞します。

その他の原因として、全身性エリテマトーデスや大動脈炎症候群などの動脈炎、血小板減少性紫斑病などの血液疾患、経口避妊薬の内服などがあります。

危険因子として、高血圧糖尿病高脂血症などの生活習慣病が重要となります。

その他の脳血栓に、脳の比較的深部に生じる『ラクナ梗塞』(上図参照)があり、脳血管性認知症の原因として重要となります。

特徴的な症状として、以下のようなものがあります。

★ 前駆症状として、『一過性脳虚血発作』(次項参照)が見られることが多い。
★「睡眠中」あるいは「安静時」に発症することが多い。
★ 意識障害は発症時にはないか、あっても比較的軽度である。
★ 神経症状として、片麻痺、感覚障害、失語、失行、失認などが見られる。
★ 症状は段階的に進行していく。

検査として、「CT」では発症部位と大きさを知ることができ、「MRI」ではCTより病巣の検出率が高くなります。

治療として、急性期の内科療法では、安静を保ち、呼吸の管理、輸液、感染症の予防、抗凝血剤や血栓溶解剤や副腎皮質ステロイドなどの投与を行い、外科療法では手術が行われることもあります。
また、片麻痺や脱落症状に対しては、リハビリテーションを積極的に行い、社会復帰できるように訓練します。

再発予防のため、高血圧、糖尿病、高脂血症に対する治療を適切に行うことが必要となります。

脳塞栓症

原因として、ほとんどの場合、心臓にできた血栓が剥離したものです(心原性脳梗塞)。

原因となる疾患として、僧房弁狭窄症が最も多く、その他、心筋梗塞、心房細動、心内膜炎などがあります。

脳卒中の中で最も症状の進行が早いことが特徴で、症状が突然発症して数秒~数分でピークに達します。

脳血栓症とは異なり、発作は昼夜を問わず起こり、一過性脳虚血発作が前駆することもほとんどありません。

神経症状は梗塞部位によって様々です。

検査として、「CT」では発症部位と大きさを知ることができ、「MRI」ではCTより病巣の検出率が高くなります。
また、「心電図」や「心エコー」は原因疾患の診断に有効です。

治療として、急性期の内科療法では、安静を保ち、呼吸の管理、輸液、感染症の予防、抗凝血剤や血栓溶解剤や副腎皮質ステロイドなどの投与を行い、外科療法では手術が行われることもあります。
また、片麻痺や脱落症状に対しては、リハビリテーションを積極的に行い、社会復帰できるように訓練します。

Follow me!