疾患別解説㊾ 鉄欠乏性貧血:原因と症状

(1)概念

鉄の欠乏により骨髄でのヘモグロビンの剛性が障害され、小球性低色素性の貧血を起こします。

女性に多く見られる貧血で、貧血の原因で最も多いです。

鉄欠乏の要因には偏食やダイエットなどによる摂取不足、胃腸の障害による吸収不良、過多月経などによる喪失過剰などがあげられます。

なお、胃潰瘍や痔疾などの出血性疾患、子宮筋腫などによる貧血の型も鉄欠乏性貧血の型を示します。

(2)症状

貧血の一般的な症状に加え、貧血が高度となりそれが持続すると、爪に亀裂が入り反り返る匙状爪(スプーンネイル)が見られます。舌では舌乳頭が萎縮し痛みを伴う舌炎を起こします。食道粘膜や胃粘膜にも萎縮がみられることがあります。

(3)検査および診断

血液検査で小球性低色素性貧血がみられます。鉄貯蔵蛋白であるフェリチンのていか、鉄結合能の増加が見られます。これらの検査結果と臨床症状から診断します。

(4)治療および予後

鉄剤を投与し不足している鉄を補充します。鉄の吸収が困難な例には鉄剤の静注を行います。胃潰瘍や子宮筋腫など鉄の喪失過剰をきたす基礎疾患を有するものには、基礎疾患の治療を行います。

予後は一般的に良いが再発しやすいので検査数値が回復した後も3~6か月間鉄剤を継続して服用します。

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